カセットテープで聴くMISIA『LOVE IS THE MESSAGE』。

 

2017.01.17

 

 

今年がはじまってもう半月。

 

肌寒いくらいだった糸島に吹く風も肌を突き刺すくらいになって、今日はいよいよ夕方から

 

霰(あられ)がぼつぼつ舞い降りたりした。

 

 

寒いね、とか

 

雪が降りそうね、とか

 

そんな事をつぶやいているうちに春もすぐそこまで来るんだと思う。

 

ゆっくりと確実に寄り添い始める一月特有の雰囲気が意外と好きだったりもするんです。

 

 

 

 

 

こんにちは、freedom smileです。

 

1月1日のお正月に昔MISIAとDREAMS COME TRUEのコラボシングルをタワレコで

 

買った事をふと思い出した今年の元旦、久しぶりに棚からひと掴みしてMISIAの

 

アルバムをデビュー作から聴き直してみました。

 

 

という事で今回のカセットテープレビューでは2000年の1月1日発表になったMISIAの

 

2ndアルバム『LOVE IS THE MESSAGE』のカセットテープ版をご紹介します。

 

 

 

 

僕が高校生の頃、学年末テストの勉強で早起きをする時にラジカセのタイマー機能で

 

目覚まし代わりにかけてたのがMISIAのこのアルバムでした。

 

冒頭のイントロダクションでゆるやかに世界観が広がり始めて飛行機のジェット音

 

と一緒に「BELIEVE」のファットな打ち込みがながれ始めるのを聴くと、実家の部屋に

 

充満した冷たい空気の中で鼻の奥が痛くなりながらぼんやり目を覚ましていた当時の様子

 

がフラッシュバックして来る。

 

友達から借りた『LOVE IS THE MESSAGE』をMDにダビングして一曲づつタイトルも入れ

 

たりとかしてたなあ。

 

 

そこから15年以上の時を経て手にしたのはCDでもMDでもなくカセットテープ版でした。

 

毎度の事ながらこの時期のJ-POPは日本国内向けではなくてタイやインドネシアなどのアジア

 

向けにプレスされたものがほとんどで今回のも例に漏れずBMGファンハウスのタイランド工場

 

で生産されたもの。

 

プラケースに貼られたシールにタイ語が記載されている事意外は歌詞の掲載されているインレイ

 

もしっかり日本語で記載があって言われなければ海外物だと気づかない人も多いと思う。

 

 

 

中古で手に入れたこのカセット、実はテープにカビが生えてしまっていてとても再生できる状態

 

ではなかったので最初にテープの掃除から始めました。

 

ドライバーでケースを開けて、テープの摩擦防止のフィルムを取ったら巻き付いたテープが出て来る。

 

その状態のまま少しだけ湿らせた綿棒でやさしく拭き取っていく。

 

両面に何度か同じ事を繰り返し作業する事10分、なんとか聴けるくらいの状態に戻す事ができた。

 

 

普段使ってる1970年代製SONYのレコーダー TC-2050CDでいざ再生してみると途中からテープスピード

 

がぐにゃぐにゃ遅くなってしまって聴けず、1990年代製SONYのWALKMANでも同じ症状。

 

最後に2000年代製 VICTORのラジカセでようやくなんとか再生できた。

 

 

宇多田ヒカルやフィッシュマンズみたいにクラブ、ソウル系の音楽をカセットで聴くといつも思う事

 

だけど、やっぱり打ち込みの音とカセットの相性はすごくいいなと体で素直に感じる。

 

音楽と記録媒体の相性がすごくいい。

 

こうやってジャンルによって聴く媒体を変えるのは今の時代だからこそできる贅沢なんじゃないかなと

 

改めて思う。

 

 

 

個人的には「BELIEVE」「It's just love」「忘れない日々」は特に心地よかったし、当時のMISIAが

 

ミックステープだけは国内向けにもカセットで発表していたのにはちゃんと理由があったんだと自分

 

なりに納得したりもした。

 

一部のDJ、プレス向けに配布された1stアルバムのアナログ盤が今でも¥30,000くらいでやり取りされ

 

ているように今でも評価が高いのは " 音楽と記録媒体の相性 " をこの時すでにMISIAが気づいていたから

 

なのかもしれない。

 

 

ちなみに、今回改めてアルバムのクレジットを見て驚いた事があった。

 

11曲目の「One!」の編曲者の欄にエヴァンゲリオンの音楽を担当されている鷺巣詩郎さんの名前を発見。

 

エヴァで時間の繰り返しが描かれていてその描写に何度もリバースするカセットテープが使われているよう

 

に、アナログ媒体のよさも何度も繰り返し評価され続けていくのかもしれない。

 

text : freedom smile (山口達也)


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