カセットテープで聴くパティ・スミス『Easter』1978年ドイツ盤。

 

2016.08.15

 

 

いつかの糸島。

 

 

 

この海の見える場所で過ごしたすくえるだけの時間を終えたときに顔を出した

 

曲のはし切れを想い尽くままに大きく広げているここ数日。

 

夏が過ぎる前にはかたちにしたいな。

 

水も時間もすり抜けては流れていくからちょっとだけでもすくって残したいものです。

 

 

 

 

こんにちは、freedom smileです。

 

 

7月末に数日間東京へ出ていました。

 

今回は予定も少なめに、会いたい人に逢って行きたいところへ行くという旅のなかで、

 

中目黒のカセットテープ専門店waltzさんにもまた足を運ばせてもらって来た。

 

 

いつか見つけたら手にしたいと思っていたカセットが今回の旅の最後に手に入ったので

 

今回のレビューではその一本、

 

PATTI SMITH GROUP  『 Easter(イースター) 』《1978年発表》Made in Germany盤

 

を紹介したいと思います。

 

 

 

 

 

1975年に名盤『HORSES』でデビューした3年後の1978年、パティ・スミスグループ

 

名義で発表されたアルバム 『Easter』。

 

僕も大好きなローリングストーンズやボブ・ディランなどを聴きながら音楽の感性を

 

研ぎ澄ませていったパティ・スミスの骨組みが感じられる作品だなと個人的に思う作品。

 

 

中学生の頃だったかな、CD屋さんで初めてこのジャケット写真を見たときしばらく動けず

 

ずっと眺めてしまったのをはっきり憶えてる。

 

 

Primal Screamのボビー・ギレスピーが放ってる妖艶さや気怠さに似たものも感じる風貌が

 

" ロックっぽさ " とはこういうことなんだと自分の中に引き出しを増やしてもくれた。

 

GUNS N' ROSESやエアロスミスみたいなアメリカのハードロックがもつソリッドな空気と

 

ヨーロッパの静かな衝動を併せ持つ人はパティ・スミスひとりだと思う。

 

 

 

 

1978年発表当時のカセットテープということでA面は少し音の揺れが出ていたり左右のバランス

 

が乱れたりする箇所もあったけど、B面はきれいに再生ができて75%は問題なく聴ける状態。

 

ケースに割れはなく、インレイの折れ目も38年前に作られたカセットということを考えると

 

さほど気にならない程度でした。

 

ケースの背面部分は年代を感じるマットな青いプラスチック、ファミコンのカセットや古い雑誌

 

もそうなように愛おしいチープな色味がやっぱりぐっとくる。

 

 

 

パティスミスはこれまでにステージからの転落だったりMC5のフレッドとの結婚で活動がゆるやか

 

になることもあったんだけど、1994年のフレッドの死去以降は公の場に出て来てくれることも増えて

 

2016年の今年は6月にビルボードライブへ出演のため来日してくれたりと70歳を目前にした今も活発

 

に音楽を発信し続けてくれてる。

 

 

UAがシングル『雲がちぎれる時』を発表した時、カップリングで収録されていたのがパティ・スミス

 

のカバー曲 Because the night だったことがきっかけで原曲が収録されてるEasterをちゃんと聴きたいと

 

思ったりしたんだけど、この二曲は是非聴き比べをしてほしい。

 

パティの尖った原曲とUAの妖婉さを孕んだカバーどちらも素晴らしい。

 

曲の雰囲気的にも個人的おすすめの聴き比べ方法は両方レコードがいいかもしれない。

 

 

カセットテープやレコードなどアナログ音質の魅力が再評価されて来た今だからこそできるこの聴き比べ

 

をビンテージのお酒を楽しむみたいに味わってみるのも古くて新しい贅沢なんじゃないかなと思います。

 

text : freedom smile (山口達也)


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