2016.07.01
足並みと呼吸をととのえる。
梅雨の夜、流星みたいに頭の中で音が降り続く。
この新しい歌には言葉はあまり必要ない気がする。
ちょっとだけ、手ですくえる必要なぶんだけの言葉を少々。

こんにちは、freedom smileです。
今月開催されるフジロックフェスティバルが20周年を迎える。
少し前に SEALDs の奥田愛基さんがアトミック・カフェへ出演されると発表になってからあちこちで
「音楽に政治を持ち込むな」論争が巻き起こってるのを目や耳にしながら個人的にもいろいろと想う所
があった。
今回のカセットテープレビューはRED HOT CHILI PEPPERS、THE YELLOW MONKEYと共に1997年の
フジロック第一回目に出演していたRAGE AGAINST THE MACHINE (レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン)
の『THE BATTLE OF LOS ANGELES』を紹介しながら自分の想いも綴ってみようと思います。

" 歌わないボーカル " とも言われたザック・デ・ラ・ロッチャのラップで叫ばれているのは対警察、
対政治家、対戦争、対大量生産大量消費、といった内容がほとんど。
1999年に発表された3枚目のアルバム 『THE BATTLE OF LOS ANGELES』に収録されている
「 Sleep Now In The Fire 」のMVではニューヨーク証券取引所の前でゲリラライブを決行、メンバーと
監督のマイケル・ムーアが警察に連行されるまでが収録されている。



このカセットはハードパンクやスラッシュメタル系のカセットをメインに扱っている吉祥寺のお店で
お店の人と話をしていたらまだ店頭に出す前のものを見せてもらえてたまたま買う事が出来た。
ケースのひび割れもなくてきれいなカセットだったのは運が良かった。
一緒に買った Björk(ビョーク)のブート盤もいつか紹介したいな。
動画ではいろんなところで耳にする事も多い「Guerrilla Radio」をSONYの1970年代製レコーダーで再生
した音源を聴いてもらえるようにしています。

フジロックはウッドストックに通づる理念のもと企画されたフェスだと思うし、一回目開催時に
レイジが出演した事が何よりもそれを物語っていると思う。
これは想像でしかないのだけど、" 音楽に政治を持ち込むな " 側の人たちは10〜20代中盤の人たちが
ほとんどなんじゃないかな。
80〜90年代は洋楽邦楽問わずソリッドな作品やバンドがすごく多かった。
彼らから発信される音には " 主張 " に似たエネルギーがあったしその姿勢を説得させてしまう生き方が
伴っていた。
それを見たり聴いたりしたことのある人はロックやパンク、フォークといった音楽のジャンルが持つ
それぞれのカルチャーを多かれ少なかれ感じながら楽しんで支持していたと思う。
ただ、それ以降の世代のリスナーの多く、特にランキングTOP10でよく見るポップスをメインに音楽を
聴いている層 ( もちろんその音楽が悪いとは思わないし素晴らしい作品も多いと思う ) はシンプルに
" 音の種類 " として音楽ジャンルの聴き分けをされているのかもしれない。
エモーショナルに激しい音楽がロック、メロディックで青春を叫ぶのがパンク、愛や癒しを語るのがフォーク
といった具合の棲み分けなのかなと感じることも個人的に実際増えた。

政治を歌う事は日本ではなんとなくタブーとされているし、ラジオではあまり流れづらい。
まわりが何と言っても自分はこうなんだと貫き通す事も敬遠されやすいのかもしれない。
でも今回の一件をニュースで目にした時にこのままでは音楽の上辺の心地いい部分だけしか残っていかない
気がしてしまった。
むやみやたら政治や権力に逆らう必要はもちろんないのだけど、自分が生きていく中で譲ってはいけない
領域の " 自由 " が侵されそうな時には声をあげなくちゃいけないと思う。
考えなんて人それぞれ、みんな同じじゃないなんてことはとても自然な事。
相手を否定して自分色に染めるのではなく、大切なのは相手を受け入れながら自分の想いもしっかり持って
おく事。
自分はこう感じている、何事にもそう言えるようにね。
フジロックに奥田さんが出演される件に関して、僕はすごくいいなと思う。
TVじゃお気楽な情報が多いし、作られている事も多々ある。
そんな中本人の話をこうやって直接聞ける機会が作られたというのはすごく貴重だと思うし賛成の人も
反対の人も一度体の中、頭の中に入れることが出来る。
20周年のフジロックはなにか魔法が宿るかもしれない。
text : freedom smile (山口達也)
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