2016.04.13
先日、中目黒のレコード・カセットテープ専門店【waltz】さんで手に入れたOASISの
カセットテープ盤『(WHAT'S THE STORY)MORNING GLORY?』のレビューをここで
綴らせてもったんだけど、OASISと一緒に購入したのがPrimal Screamの名曲 Rocks を
収録した 『 Give Out But Don't Give Up 』でした。
OASISの記事の反響を思いの外いただいたので今回はPrimal Screamのアルバムも紹介して
みようと思います。

プライマルは時期やアルバム毎に表現されている音楽のジャンルが大きく変わるから
正直全部はちゃんと聴いてなかったりするんです。
ただ、ロック、ソウル、ジャムあたりの要素の強い『primal scream』、『RIOT CITY BLUES』、
『Screamadelica』の三枚は好きでよく聴いてたし、特に『RIOT CITY BLUES』は自分が
タワーレコードで働かせてもらってた時期に発売されて来日公演にも足を運んだ事もあって
思い入れがすごくある。
プライマルのボーカル、ボビー・ギレスピーはアルバム 『 Give Out But Don't Give Up 』 発売当時
『このアルバムは数曲以外イマイチ 』
と言ってるんだけど、僕にとっては捨て曲のない大切な名盤のひとつ。

ギターのノイズ音から始まるアルバムの冒頭、その瞬間からバンドのいるスタジオの中に
自分もちょこんとお邪魔させてもらっているような気持ちにしてもらえる。
JailbirdからRocks へ繋がる流れはそのままライブでやってほしいくらいかっこいいし、
Funky Jam はいつまででも体を揺らしながら踊れちゃう。
唯一持ってるプライマルのレコードがRocksの12inchだったりとこの曲自体に異常な愛着が
あるのは、昔バンドを組んでた頃のライブのSE(ステージに入る時のBGM)がRocksだった
事が要因だと思う。

さてさて、肝心のカセットテープ版『 Give Out But Don't Give Up 』はインレイ(ケースに封入されてる
紙製の帯)に歌詞の表記もないシンプルなもの。
アルバムが発売された当時のメインビジュアルで使われてたメンバーが揃った写真は記憶に残ってる
人も多いと思う。

カセットの再生できるプレイヤーは手元にいくつかあるんだけど、せっかくなので1970年代に
SONYが発表したカセットレコーダー TC-2050CDという機種で再生してみました。


OASISのMORNING GLORYを再生した時に気になった音の丸みはあんまり感じず、むしろCDや
レコードみたいなクリアさが再現されてるように個人的には感じた。
アルバム自体がきれいに整えられているというよりはさっきも書いた通りスタジオの中にメンバー
といるような感覚になるいい意味でざらっとした質感がある作品なので、レコードの音とはまた違う
味わいがカセットテープでは楽しめる気がする。
プレイヤーの違いもあるとは思うけど、同じ機種でOASISと聴き比べても丸みの違い方の印象は同じ
だったので同様に試してもらえればきっと同じ感想を持ってもらえると思います。
車のカーステがまだカセット仕様だよという人がいたら海辺のドライブの道中なんかに是非この
アルバムを聴いて見てほしい。
ROCKSみたいな気分が上がる曲からしっとりと色気のあるソウルフルなバラードまでバランスよく収録
されてる作品だからゴールデンウィークのレジャーにもすごく合うはず。

前にも書いた事と繰り返しになっちゃうけど、デジタルを経てまたアナログが見直されている今、
ハイレゾだったりカセットだったりレコードだったりという記録媒体の持つ特有の音質の違いで
音楽を聴くというのは楽しみ方のひとつとしてしっかり確立したんだなと個人的には感じています。
お米を炊飯器で炊いたり、土鍋で炊いたり、薪を使って飯ごうで炊いたり。
それぞれに違う良さがある。
なにが一番で、なにが正しいかなんてあるようでないのだ。
東京から福岡の糸島という海の街へ引っ越して5ヶ月、新しい曲を作りながらまた時々こうして
カセットテープのゆらぎに身をまかせて音楽に携わらせてもらっている至福の時間をゆらゆらと
漂ってみようと思います。

text : freedom smile (山口達也)
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