2016.03.16
信じる事でしか未来なんて描けないのに
生きている事にすら理由をつけて立ち止まっては
神様のせいにしている。
そんな時期がずいぶん前にあったりした。
油断をするとそれに近い渦の中へ落ちてしまいそうになって
気が焦ってしまう事もあるのだけど、ひとつ深呼吸して、
また歩みを進めてみようと思う。
Don't look back in anger .
こんにちは、freedom smileです。
前回までは中目黒にできたレコードとカセットテープの専門店 waltz さんでの
出来事を綴らせてもらったので、今回はそこで手に入れた OASIS の 名盤
『(WHAT'S THE STORY) MORNING GLORY?』のカセット版について綴って
みるのでちらりと読んでもらえれば嬉しいです。

90年代、世界的にも音楽黄金期だった頃にマンチェスターから出て来たギャラガー
兄弟。 モーニンググローリーはオリジナルアルバムでありながらベストにも近い
作品が揃った言わずと知れた名盤なのは周知の通りだと思う。
そのアルバムを今回カセットテープで手に入れて改めて聴いてみる事にした。
CDで何度も聴いてたからHelloの最初に流れるWonderwallの一節や、演奏の合間に聴こえる
細かいノイズ、ノエルのギターソロで聴こえる程よく抑えられた歪みの高音の抜け感とか、
デジタルで再現されている音の細部が自然と耳に馴染んでくれてたことが幸いして(聴き分け
る耳を持ってるってことではなくて単純に聴きすぎて感覚として憶えてしまってる) CDと
カセットの聴き比べがすごく楽しめた。
どの作品もカセットで聴くともこもこしたモノラル感が増して聴こえる事が多いのだけど、
このアルバムは特に音の丸みが強い気がした。
人によっては詰まって聴こえたりするのかも知れないのだけど、カセットの縦長サイズに
無理矢理引き延ばされたジャケット写真しかり、良い意味でアナログな感覚を味わえるのは
やっぱり貴重な体験だなとつくづく感じる。
今はハイレゾなんていうデジタル音楽データがあってレコーディングスタジオでの音を限り
なく再現できる方法もある。
もちろん音の解像度は高くなって聴こえていなかった音も聴こえるようになるんだと思う。
それでも今レコードやカセットに注目がまた集まっているのは単にデジタルへの反発という
だけではなく " 音質 " によって楽しみ方を変える人が増えたという事なんだと個人的には解釈
してたりするんです。
CDのクリアな音、
ハイレゾの立体的な音、
レコードのその場で演奏しているような臨場感のある音、
カセットのチープだけど愛らしい丸さのある音。

収録されている内容が同じでも媒体が変わる事で音との向き合い方は変わるし、現にOASISの
モーニンググローリーがそうだったみたいに何度も聴いて来た作品が新しく聴こえたりもする。
今回手元にやってきた二本のカセットは1970年代のSONYのカセットレコーダーで再生してみた。
このアルバムと同じ時代に誕生した90年代製SONYカセットウォークマンの修理をちょこちょこ
進めているから治った時には " 90年代の音 " を再生して自分だけのタイムスリップを楽しんでみ
ようと思ってる。
専門知識なんてあんまりないけど、こうやって手探りな感じも良いなと思う。
たまに知らない道を歩いてみると面白いお店と出逢える、みたいな事を音楽でも楽しんで行けたら
またひとつ幸せを感じるものも増えるかもしれないななんて思ってみたりするんです。
text : freedom smile (山口達也)
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