カセットテープと星野源。

 

2016.02.08

 

 

廻ってくる出来事には意味があって、

 

終わりに向かってすべては流れてゆく、

 

そして " 再生 " され続けてゆくのだ。

 

 

 

今年10年ぶりくらいにシングルというものを買った。

 

星野源さんの『 SUN 』7 inch アナログ盤 。

 

自分が学生の頃は12cmシングルをマキシと言ってたのにいつの間にか

 

マキシという言葉さえも使わなくなってしまったなあなんてこの記事

 

を書きながら思ってみたりした。

 

 

 

確実に時間は流れている。

 

 

曲のレビューはきっとあちこちでされているのでここでは星野源さんが

 

 『 SUN 』の中で歌われている事と 、僕の好きなカセットテープと言う

 

記録媒体の持つ魅力を重ね合わせた想いを綴ってみようと思います。

 

 

 

少し前に自分が発表させてもらったアルバム『世界の空と、夜明け前。』

 

という作品はCDと別にカセットテープも作らせてもらった。

 

 

出来上がるまではどんな音になるのかイメージする事しか出来なかった

 

んだけど、完成して聴き比べてみると元のデータは同じなのにカセット

 

テープになる事で独特の音のまとまり方をしてくれてる。

 

 

 

音の角が丸くなって耳への当たり方がすごくやわらかくなった。

 

 


 

ちょうど カセットテープの制作に向けて工場の方とやり取りをさせて

 

もらってた頃 、星野源さんが出演されていた「 LIFE ! 」という番組内

 

で当時発表されたばかりの『 SUN 』をカセットテープにする企画が放送

 

されてた事もあってメタルテープ、ハイポジのくだりはちょっと懐かしく

 

感じながら眺めてた。

 

 

 

そんな中手にした源さんのこのシングルを聴いて、カセットの持つどこか

 

刹那的なにおいを感じたりしたんです。

 

 

歌の中で歌われている事はすごく前を向いているし明るい場所に向かって

 

いるのだけど、明るさの隅っこに " 終わり " へ向かっている事をしっかり

 

受け止めているからこそ感じている " 今、この瞬間 "  という感覚が伝わっ

 

て来たんです。

 

 

絶望のあとに見える希望 。

 

 

数年前に体調を崩された源さんも音楽に心と体を救われた一人なんだなと、

 

すごく個人的な受け取り方だけどそう伝わってきた。

 

 

終わる事を知っているからこそ今目の前にあるはじまりの瞬間を祝福している。

 

太陽が沈んでまたのぼってくるように 日々の出来事の中でもいいこと、そうでない事

 

を繰り返している。

 

 

決して便利ではないし目に見えて劣化をしていくカセットテープみたいに

 

人も近い部分があるのかなと思う。

 

 

それぞれクセのある独特の丸さを持ってたりする部分も。

 

 

 

ミュージックビデオの中でオープンリールのテープが出てくるシーンが

 

 

あるからそんな想いも込められているのかなと深読みしてみたり。

 

 

 

 

不器用だけど 何度も同じ道を繰り返し歩きながら、

 

次にそこを通る時は前回とはちょっと違う歩き方 (音) になっている。

 

 

繰り返す苦しい事、楽しい事の中でまた違うよい事はちゃんと巡ってくる

 

事を知っている。

 

 

 

 

だからきっと『 深い闇でも 月の上でも すべては思い通り 』なのだ。

 

 

 

text : freedom smile

■リリース情報

7inch ANALOG 『SUN

初回限定生産 VIKL-30070

¥1,300+税

 

収録内容

A面 SUN

B面 SUN (Instrumental)

 

星野源OFFICIAL WEB SITE

http://www.hoshinogen.com/


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