2015.12.19
音の中で考える事
音の中で感じる事、
そのあとで生まれてくる音。
世に起こる出来事だったり人の縁もそうだなと思うんだけど、
音も例外なく廻るものだなと思うんです。
どうも、freedom smileです。
東京に住んでいる時から自宅に音を出せる場所が欲しいなとずうっと考えていて、
福岡の糸島に引っ越したらやろうと思っていた事が " 自宅スタジオ作り " でした。
という事で今回のsmilestone news paperでは、思い切って道具を揃えてほぼひとりで
自分だけの手作りスタジオを組み上げるまでの流れを紹介してみようと思います。
【どんなスタジオにしようかと考えてみる】
最初に伝えておくと自分には専門的な知識はほとんどなくて、
あるのは何度も練習で入ってきた世の中のスタジオでの記憶と
完成するスタジオのイメージだけがあるという事。
あとは自分が東京でお世話になった人に観せてもらってきたものを
落とし込めるといいなとやんわり思っていたりした。
なので今回目指すのは完全防音スタジオではなくて他の部屋や外に漏れない、
生活するなかで気にならないまでの防音効果がある小振りなブースを拾ってきたもの、
もらったもの、新しく買うものを使ってできるだけお金をかけずに作る事です。

【外壁、消音ボード、内壁の三層に】
僕の父親は金属の溶接を仕事として40年やってきた中で
バイクの修理やら小屋作りやらを昔から自分でやってたの。
という事もあってまず最初に相談をしたら
『防音室は作った事ないからよくわからん』との返事。
ものづくり経験の長い父親の返答にそうかあと返して
次の手を考えていたら数日後電話があって、昔作った作業小屋に機械の音を緩衝させる
ためのパネルを貼ったからそれが流用出来るかもとの事。
その週末軽トラで7枚のパネルを運んでもらったのを皮切りにホームセンターへ行って
サイズ規格が同じOSBと呼ばれるボードとラバーシート、ステンレス製のL字パーツを
買ってきて作業を始めました。
上の写真が作業小屋から取り外されてやってきた消音ボード。
下の写真は今セレクトショップの什器でもよく目にするOSBボードって言う木片を結合
させて作られてる板でDIYをやってる方にはお馴染みの素材だと思う。
この二枚を貼り合わせた上に20mmのラバーシートを貼って防音壁にします。
構造はこんな感じ。
スタジオ外 → OSBボード → 消音ボード → バラーシート → スタジオ内


非常に散らかっている。
ちなみに作業用に新調した電動ドライバーは音楽やってる人には馴染みのあるmakita。
MR.BIGとかB'zとかを聴いてた人ならぴんとくると思うんだけど、ドリルでギターを
演奏することも世の中にはあるのです。



L字とストレートの金具で隅を固定して3層のパネルを壁と天井合わせて7枚作る。
そのあとに床用のボードへL字のパーツでさらに取り付けていくとこんな感じに壁が
出来ていきます。
3枚貼りにしたパネルは厚みが増してるので四隅のつなぎ目はラバーシートを少しカット
してあげてうまくはまるように調整。
床の板と天井の板はサイズが一緒だから立てた壁に蓋をするみたいにかぶせて固定すれば
もうだいたいカタチになってきます。
東京でもらってた有孔ボード(穴が空いた板)があったので一枚片方の壁に取り付けてフック
をつけて物がかけられるようにしたりすれば、

録音で使うマラカスとかタンバリンとかの小さい仲間たちもかけられて縦に収納が出来る。
という事ですごくシンプルなひとり用のちいさなちいさなボーカルブースが出来上がりました。


スティーブ・マッカリーの写真集とかINTO THE WILDの原作本とか、
これまで買ってきた洋書も上に収まってくれています。


中には電源と簡易的な棚、GENZ BENZのアコースティックアンプも置けるくらい意外と
広くスペース確保ができました。
いつも使ってる大きいエフェクターボードを広げても弾きながら余裕もって動けたので
家での練習には申し分ないです。
材料費はドリル含めだいたい¥50,000、作業は一日5時間で3日くらいでした。
細かい部分が知りたいという方はcontactからいつでも連絡ください。
できる限りお伝えしますので。
【 手作りスタジオの名前 】
そして悩んだのはスタジオの名前。
僕は言霊って本当にあると思ってたりするんです。
言っている事が実現したり、言葉の温度が伝わり方を変えたり。
東京から糸島へ来てゆるやかな時間の中で想いを届けていければ、
急いでいる人の心を少しでもゆるやかに、穏やかにできる音楽が生まれればという想いを
込めてこんな名前にしました。

『 SLOW TIME STUDIO 』
点滅を始めた赤信号をふっと一息ついて待ってみる。
勢いで飛び出しそうになった言葉を深呼吸してやわらかくしてみる。
そんな音楽を作れるようにと願いを込めてこの名前にしました。
流れていく水にも戻れる場所があるように、
すべての事はめぐりながら彩りを増し続ける。
そんな歌を歌い続けられたら。
もっと遠くまで想いを届けられるように、伝えられるように、この場所で
自分の出来る事、すべき事をしっかり研ぎすましていこうと思います。
年明けからも新しい事たくさん始めていくのでfreedom smileとしての自分の表現を
見届けてもらえたら幸いです。
ゆっくりでもたどり着ける場所があったりするのだ。
Have a slow time .
