【モーリス・センダック『かいじゅうたちのいるところ』】

2015.12.11

 

こんにちは、saolillilneです。

今日は箸休め的に絵本いってみたいと思います。

 

アメリカの絵本作家、モーリス・センダックの『かいじゅうたちのいるところ』。

小さな頃に読まれた方も多いかと思います。

独特のかいじゅうのフォルム、子ども心にはちょっとこわかったなぁ…

でも、くりかえし見ちゃう、気になる。

強烈な絵の方が、記憶に刷り込まれてるものだったりします。

 

やんちゃ盛りの主人公マックスは、

お母さんに怒られて寝室に入れられてしまいました。

すると寝室に木がはえてきて、さらには海があらわれます。

船にのり、1年と1日航海すると、たどり着くのは

かいじゅうたちのいるところ。

そこでマックスはかいじゅうたちと遊びくらし…

というファンタジー。


絵本を読み直して、むかしとは違う感想を持つとはよく聞く話ですが

大人になって開いたときに、この絵本はこんなにも語っていたんだと気付きました。


文章からの語りはもちろん、絵も語ってる。

かいじゅうたちと遊びくらすところなんて、絵だけなのです。

それでもわっしょい楽しそうな雰囲気が伝わってくるのは

センダックの作画のすごいところ。

こちらはかいじゅうたちのうめき声を想像し、

マックスの傲慢ぶりを頭の中で再生します。


絵本のいいところって、こういうところだと思うんです。

自分のスピードでめくって、文と絵から、自由に想像して。

それは、わたしだけの物語になる。

 

ひさしぶりに読んでみたら、

かいじゅうたちは恐怖の対象なんかじゃ全然なくて、

さみしさをまぎらわせるために強くあろうとしたのかなとすら思えました。

そのさみしさは、マックス自身の反映でもあるのかも。

 

そして姿をあらわさないけれど、圧倒的な存在感のお母さん。

だれかが待っていてくれるところがあるから

冒険に出られるんだね。

ほんとうは、あたたかな家族のお話でした。

 

ちなみに、スパイク・ジョーンズ監督によって映画化もされています。

かいじゅうたちが忠実に再現されてて、

監督もこの絵本が大好きだったんだなと思います。

映画の中のかいじゅうたちは、孤独を抱えていたり。

このあたりの切ない心理描写をうまくおさえています。

 

 

子どもに絵本を読んだあとは、

感想を聞かないほうがいいという考えがあります。

答え合わせの場になってしまうから。

読んで、何かを感じたことでもう充分。

そうやってのびのび感性が育つのでしょうね。


お家にこもる季節、

みなさんもひさしぶりに絵本をひらいて、

心もあたためてみてください♪


 

●リリース情報

 絵本

『かいじゅうたちのいるところ』

作・モーリス・センダック 

役・じんぐう てるお

冨山房

Blu-Ray&DVD

『かいじゅうたちのいるところ』

出演・マックス・レコーズ

監督・スパイク・ジョーンズ

ワーナー・ホームビデオ 

 


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