【高木正勝『おおかみこどもの雨と雪 オリジナル・サウンドトラック』】

2015.12.1


すっかり冬の空気ですね。

こんにちは、saolillilineです。


今日は映画のサントラをご紹介します。

『おおかみこどもの雨と雪』のオリジナル・サウンドトラックです。


『時をかける少女』や『サマー・ウォーズ』『バケモノの子』などを生んだ

細田守監督の2012年に公開された作品。

花という女性が「おおかみおとこ」と出会い恋をして

雪と雨というふたりの「おおかみこども」を授かります。

母になり、子育てをする13年間を描き、こどもたちも花も成長していく。


…というお話なのですが、このサントラ、

映画を知らなくても聴きやすい。

サントラなので一曲も短いし、インスト作品として聴いても良しです。

むしろ、映像を知らなくてもこの音から浮かぶ映像を楽しむのもいいかも、なんて。


全ての作曲は映像作家でもある高木正勝さんです。

このサントラに収録されている『きときと-四本足の踊り』は

飲料のCMにも使われているので耳にした方も多いと思います。


跳ねるような、踊るようなピアノのこの曲は

劇中では雪と雨が雪の中をかけまわってはしゃぐシーンで流れます。

人間からおおかみの姿になって、本能のままにとびまわる。

お母さんの花もいっしょに雪まみれになって。

いわゆる、しあわせな家族のシーン。とっても好きなシーン。

 

高木正勝さんはこの映画の音楽をてがけることで

「自分にとっての民謡のような曲があふれてきた」と語っています。

「子どもの頃に聴いてた音楽って、大人になるにつれて恥ずかしくなって

蓋をしてしまうものじゃないですか。

蓋をしてしまったのは、音楽だけじゃなくて自分の育った環境や暮らしだったり。

(略)

でも、子どもの頃も含めて、全部たいせつな自分なんだと気づいたら、

ずっと住み続けている家や環境が愛おしく思えたんです。

自分にとっての素晴らしい世界はここなんだと。

今まで無理をしていたんですね。

この映画に関わったことで、すごく素直になれました。」

(『おおかみこどもの雨と雪』公式パンフレットより)

 

映画は、ふたりのこどもが「おおかみこども」というだけで、

子育ての日常の風景を追った作品。

 

わたしは映画館でひとり涙が止まらなくなっていました。

こどもたちを乗せて自転車を漕いでいるシーンですら泣けてしかたがなかった。

そういえば、うちの父も自転車で隣町の水泳教室に送り迎えしてくれたっけ。

毎週片道30分以上も。バス使えばいいのに。

そんな親の姿を重ねているところに、美しいピアノの音色が涙をさそいます。

 

まだわたしには子育ては未知の世界ですが、

こどもといっしょに過ごす日々で起こる

不安、焦り、希望、喜び、を音楽であらわすと、きっとこんな風なんだ。日常のインスト。

わたしたちの日常にも、ほんとうはこんな美しい音楽が鳴っているのかもしれないです。

 

 

●リリース情報

『おおかみこどもの雨と雪』オリジナル・サウンドトラック

音楽 高木正勝

VPCG-84928 ¥2,500(税込)


映画『おおかみこどもの雨と雪』公式サイト


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